2020.04.16
りったん通信 special edition -4-
心身の不調を感じたら
新型コロナ感染症について、日々様々な情報が発信されていますね。
私は公認心理師・臨床心理士ですので、今日はメンタルヘルスの観点から、お話ししたいと思います。
非常事態が続く中、皆さんの中には
- 体の不調(腹痛、頭痛、不眠、食欲不振)
- 心の不調(イライラ、不安、憂うつ)
といった変化を感じている人もいるのではないでしょうか。
実は、私も最近電車に乗った時、自分の心の中に、じわ~っと不安が広がっていることを感じました。
皆さんは、そのような時、どうしますか?
もしかしたら、
「おかしい、いつもの自分と違う!」
「こんな状態の自分ではダメだ!何とかしなければ!」
と、自分の変化に焦ってしまう人もいるかもしれませんね。
実は、そのような時にまずやって頂きたいのは
【自分の状態をそのまま受け止める】
ということなんです。
例えば、私の場合は電車に乗りながら、
「あら、私、何だか不安ね……。それはそうよね。3密とか、世の中でこれだけ騒がれているものね。今まで気づいていなかったけれど、私の中にも意外と不安が積み重なっていたのね」
としみじみ感じていました。
では、そのまま受け止めることのメリットは、何なのでしょうか?
それは、冷静に自分の不安を見つめることで、次に落ち着いて対処法を考えることができるのです。
逆にもしこの不安に焦ってしまって、
「イヤだわ、今まで電車に乗って不安を感じた事なんてなかったのに、私、どうしてしまったのかしら!?こんなに弱い自分では、この大変な状況を乗り越ていけないわ。早く何とかしなければ!!」
と思ったとしましょう。
ちょっと極端に書いてみましたが、もしこう思ったとしたら、自分で自分の不安を掻き立ててしまい、落ち着いて物事を考えることができなくなります。適切な対処法を見つけることも難しくなってしまいます。さらに言えば、自分で自分を責めていますので、自分を落ち込ませてしまうことにもつながるのです。
以上をふまえて、皆さんにぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
それは、「今のこの状況において、心身に不調が生じるのは、とても自然な反応である」ということです。おかしなことでは全くありません。
そう思うだけで、少し楽になる人もいるのではないでしょうか。
ぜひ、ご自身にそう声をかけてあげてください。
また、皆さんの周りに不安や不調を抱えている人がいたら、まずは、
「そうだよね、不安にもなるよね」
「お腹が痛いんだ。つらいよね」
など、相手の状態をそのまま受け止めた声かけをお願いします。実は「頑張ろうよ!」といった励ましの言葉より、ずっと気持ちが元気になるものなんです。
もちろん、対処法を考えることも大切です。ですが、それは自分の状態をそのまま受け止めた後にやることです。
おススメの対処法については、次の投稿でお伝えいたします。もし興味を持っていただけましたら、次の投稿もどうぞお読みください。
教員 横尾瑞恵(公認心理師・臨床心理士)
現代コミュニケーション学科(100名/共学)
〇現代コミュニケーション専攻
心理コース/ビジネスコース/観光コース
〇幼児教育専攻
※2年間で保育士資格と幼稚園教諭2種免許の
ダブル取得が可能です。
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