幼教専攻ブログ

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幼児教育

2022.07.19

専攻科「地域と子育てA」学外授業報告!

学童保育にカフェを併設し、地域に開いた施設「こどもリビング」を見学

 

同じ敷地内に「保育所」と、カフェを併設した学童保育所「こどもリビング」のある施設へ、6月に見学に行って参りました。「こどもリビング」は、放課後に小学生が来るまでの時間をカフェとして地域に開いている学童保育所です。園庭を挟んで同じ敷地内に保育所もあり、園児と児童が交流することもできる施設です。今回の訪問では、「保育所」と「こどもリビング」の両方を見学させていただきました。

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★保育所見学★

施設長先生から「環境を整え、子どもたちが最初に出会う世界を丁寧に伝えること」の大切さを教えていただきました。「丁寧に伝える」ために、行動を見せる時は黙って行動だけを示す、言葉で伝える時は動作を加えず言葉だけ、といった伝え方をされているそうです。

子どもに「何を伝えたい」のか「何を見せたい」のか、そしてそのために「どのように伝える」のか「どう見せる」のか、その背景に子どもの育ちへの深い愛情を感じました。

 

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↑物の扱い方を丁寧に子どもに伝える。

子どもはその物の正しい扱い方を知った上で、子どもたちなりに遊びを自分で発展させていくことができる。

 

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↑食事の前後にテーブルや床を拭くための布巾がテーブルの近くに置いてありました。白色がテーブル用、茶色が床用の布巾になっていて、上の段が使用前、下の段が使用後の布巾をいれる箱になっています。

最初に子どもたちに使い方を丁寧に伝えることで、あとは自然と子どもたちが自分でテーブルを拭くのだそうです。

布巾のサイズも大きすぎず、子どもの手のサイズに合わせたものになっていました。このように、子どもがすぐに布巾を手に取り、自らすすんでテーブルを拭くように環境を整えていることがよくわかりました。

 

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↑スプーンやフォーク、お皿、コップを置く位置が刺繍されたランチョンマット。このように環境を整えることで子どもたちが自然と丁寧に食器を扱うことにつながるのだそうです。

また、ランチョンマットを用いることは、食事の際に子どもの視点が保育室全体の広い空間からランチョンマットの食事に集中することにもつながっているのだそうです。このランチョンマットの形になるまでに、保育所の先生方をはじめ、たくさんの方たちが関わり試行錯誤を繰り返して完成までに至ったと伺いました。この素敵なランチョンマットに、学生と共に魅了されました!

 

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↑椅子に座る時には「両手で椅子を持ち」「静かにゆっくり引く」という動作を子どもに伝える際、言葉は用いず、丁寧な動作だけを示すことで子どもたちに伝える。

そういった保育者の動きを子どもたちはよく見ていて、だからこそ保育者は自分自身の言動に日頃から気をつけなくてはいけない、ということも教えていただきました。

 

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↑モンテッソーリ教育の玩具を用いて、子どもたちが生活の中で使う動きの基盤を身につけることや概念を覚えること、先を見通す力を身につけることを大切にして、保育をされているそうです。

 

★こどもリビング(学童保育所)見学★

(園庭)

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こどもリビングの園庭では、雨水を溜めてこどもたちの遊びに使ったり、ビオトープ、畑、コンポスト、さらにはこどもたちがつくった竪穴式住居!があったりと、魅力的な環境が溢れていました。

お隣の保育所の園庭から、フェンス越しにこどもリビング側の園庭が見えるので、園児にとっては憧れのお兄さんお姉さんたちがいる場所として見えているのだろうと感じました。園児を招いて交流することもあるそうです。

(こどもリビング建物内)

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↑(ロフトから1階を見下ろした風景)

こどもリビングは、放課後に小学生が来るまでの時間はカフェとして地域に開かれています。私たちが伺った時、赤ちゃんを抱っこしているお母さんが2組いらして、学生たちと「あの赤ちゃんは何ヶ月くらいかなぁ。聞いてみようか?」と予想してお声をかけさせてもらいました。

するとなんと!そのお母さんは偶然にも育児休暇中の保育士さんでした。学生たちは「私たち、保育士の卵なんです」と自己紹介をして、お母さんから保育の仕事と子育ての両立について伺うことができました。そして「抱っこしてみる?」との申し出に、ありがたく赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。そして思いっきり泣かれました!

カフェで遭遇した素敵な出会いは、学生たちにとって普段関わることのない新鮮な体験となりました。地域の方が子どもを連れてほっと一息つける場所があること、子育て家庭に限らずいろいろな年代の人たちが関わる場にもなることなどなど、こどもリビングの魅力を感じることができました。

 

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↑学童保育所の職員の方が、こどもリビング内を案内してくださいました。日頃、子どもたちをみて関わり方を工夫していること、1階部分とロフト部分とで環境設定に工夫をして、動的空間、静的空間に分けて子どもたちが過ごせるようにしていることなど伺いました。

 

今回の訪問では、施設長先生や職員の方々にあたたかく迎えていただき、保育について、子どもたちについて、地域との関わりについて、お話を伺うことができました。学生たちもたくさんの気づきがあったようです。貴重な機会をありがとうございました。

 

★学生たちの感想★

☆今回こどもリビングに伺い、保護者同士の交流や、子どもが外でのびのび遊ぶ姿を見て、「一息着くことの出来る場所」「子どもが騒いでいても怒られることのない場所」の大切さを感じました。また、無理に声をかけに行くのではなく、支えになる場所になっていけるように居場所をつくっていくことや、保護者が自ら相談した時にしっかり相談に乗るここと、そして他の機関に繋げられるようにすることで、保護者の子育ての手助けになっていくのだと感じました。こどもリビングの他に同じ施設内に併設されている保育園の案内もしていただき、保育に対する考えや思いを聞くことができました。子どもがどれだけ大人を見ているのかを改めて感じました。今回の学びをこれから就職してからや、自分が親になった時などに思い出し、実践していくことができるようにしていきたいと思いました。

☆温かみのある雰囲気で、子育てに不安を抱えている人でも安心して過ごせそうだと感じました。室内では、他の利用者の方の子どもとのかかわり方や室内外の遊びの環境など、参考なる部分が多くありました。特に、一階部分では動的な遊び、ロフトでは静的な遊び、と区分されていて、就学した子どもが宿題に集中して取り組める場となっていました。子どもの発達やそれぞれの遊びに適した環境を学ぶことができました。また、これまでの活動の様子を写真に収めたものを動画で流していたり、これからの活動予定が書かれている紙を配布していたりと子どもたちの楽しそうな雰囲気を感じることができたとともに、自分が子育て中であったらぜひ参加してみたい場所だなと思いました。

☆子どもリビングと保育園を見学し、職員の方々に、「どんなきっかけでこどもリビングをつくったのか」「コロナ禍でイベントが出来なくなりコロナ前と今ではどのように変わっているのか」等たくさん質問しお話を伺いました。コロナ禍で地域と関わることが難しい中でも子どもや大人に楽しんでもらおうと色々なアイディアを出して考えていくことの大切さを学ぶことができました。 
コロナ禍でイベントが出来なくなったから中止にするのではなくて、コロナ禍でも以前と同じように、もしくはコロナ禍でしか出来ないような楽しめるイベントを考えていくことで地域との交流を深めるきっかけになっていて、それはとても大切なことだと気付きました。 また、保育園を見学した際に施設長先生が1つずつ具体的に保育に対する取り組みやその考え方を説明してくださいました。そのお話を伺いながら、自分が保育士として働いた姿を想像し、「この工夫の仕方凄くいいな、働いたら実際にやってみようかな。作ってみようかな。」や「自分が就職した園でこの方法をしていなかったら、提案してみたいな。」等と、環境からどんな工夫がされていてそれが子どもたちにどんな影響を与えてどのように育っているのかということを知ることが出来ました。

 

最後に・・・

見学後、学校に戻ってからの授業では、「発達心理学」の振り返りをしました。
幼児が空間を捉える時に広い視点で捉える傾向があること、ランチョンマットのように子どもがそこに注目しやすいように区切った環境を設定することによって、幼児はそこに注目できることなど復習をしました。

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↑目の前にある3つの物の配置を後ろ向きで再現する実験!こどもの視点はどう空間を捉えるのかな?

 

子どもの空間認知についての復習から、学生たちと「こどもリビングで見せていただいたランチョンマットはとっても素敵だったよね。何か子どもの育ちにつながるようなランチョンマットを自分たちでもつくってみたいね」とつながり、後期「地域と子育てB」での商品開発のヒントとなりました。

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「箸置きがなくてもお箸をきちんと戻して食事をするように」「お茶碗と汁椀を正しい位置に戻せるように」「子どもが自分からランチョンマットを出したくなるような」そんな可愛いランチョンマットがつくれたらいいね!と。

図案を描いてみたらどんどん話が膨らみ「可愛いロボットみたい」「あ、じゃあ商品名はロボランチョンとかどう?」。

そんなわけで、後期の「地域と子育てB」の商品開発に向けて「ロボランチョン」の試作づくりが始まっております。こちらはまたブログでご紹介いたします。
お楽しみに!

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 「ロボランチョン」試作品

(授業担当者:三國)


●東京立正短期大学では、少人数教育により、多様な問題に対応できるコミュニケーション能力の高い保育者を養成しています。

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