2026.05.19
「福祉文化ゼミ」で多様な視点を養う
幼児教育専攻2年生は、現在それぞれのゼミに所属し、主体的な学びを深めています。筆者である倉持が担当するのは「福祉文化ゼミ」です。本ゼミには6名の学生が在籍しており、「福祉」と「文化」をキーワードに、多様な視点から日常の環境や社会の在り方について考察を行っています。
本年度は、12月に開催予定の学習発表会に向けて、「福祉文化」というテーマを「文化の眼鏡」(薗田・馬場,2017)という視点から捉え直す取り組みを始めました。「文化の眼鏡」とは、当たり前と思われている事象を改めて見つめ直し、その背後にある価値観や構造に気づくための視点です。
その第一歩として、身近な公共空間である「公園」に着目しました。Googleマップ(以下、マップ)を用いて実際の公園を調べ、「文化の眼鏡」を通して観察してみることにしたのです。
活動の冒頭で、学生たちに「公園とはどのような場所か」を問いかけると、「公園はみんなのもの」「公共の場所である」「誰でも利用できる場所」といった意見が多く挙げられました。公園は誰もが自由に使える開かれた場所である、という共通認識が見られました。
しかし、実際にマップ上で具体的な公園を調べ、設備や構造を丁寧に見ていくと、その認識に揺らぎが生じます。
例えば、A公園については、学生から次のような意見が出されました。
- 入り口に階段が設置されている
- 平らな入り口もあるが、ポールが立っていて通りにくい
- スロープはあるものの、傾斜が急で安全性に疑問がある
- 設置されている椅子が独特な形状で、座りにくそう
また、B公園についても、
- 砂場はあるが、すべての子どもが安心して使えるとは限らないのではないか
- 入り口が階段のみで、アクセスに制限がある
- トイレは設置されているが、利用できる人が限定されている可能性がある
- 休憩のための椅子が設置されていない
といった具体的な内容が挙げられました。
このように見ていくと、はじめに学生たちが語っていた「公園はみんなのもの」という認識と、実際の環境との間に乖離があることが明らかになります。学生たちからは、「階段があると、すべての人が自由に入れるわけではない」「ポールがあると車椅子利用者はどうなるのか」「スロープがあっても安全に使えるとは限らない」「この椅子は誰にとって使いやすいのだろうか」といった、より具体的で多角的な視点からの意見が次々と出されました。
今回の活動を通して、学生たちは「誰にとっての『みんな』なのか」という問いを自ら立て始めています。これまで当然と思っていた公共空間のあり方を見直し、多様な人々の立場に立って考えることこそが、「福祉文化」を理解する重要な一歩と言えるでしょう。
今後も「福祉文化ゼミ」では、身近な事例を手がかりにしながら、学生一人ひとりが自分の視点を広げ、「誰一人取り残さない社会」とは何かを探究していきます。学習発表会に向けて、これらの気づきがどのように発展していくのか、とても楽しみですね。
引用文献
薗田碩哉・馬場清(2017)「福祉現場の文化的改革を目指す福祉文化学会の新たな事業」『福祉文化研究』26,6-12。
幼児教育専攻 倉持こころ
●東京立正短期大学では、少人数教育により、多様な問題に対応できるコミュニケーション能力の高い保育者を養成しています。
●2年間に5回ある実習(幼稚園実習①、保育実習Ⅰ、幼稚園実習②、施設実習Ⅰ、保育/施設実習Ⅱ)に参加し、自分の目指す保育者像を明確にしていきます。
東京立正短期大学
現代コミュニケーション学科(2年制/共学)
幼児教育専攻
[2年間で幼稚園教諭二種・保育士・児童厚生二級指導員取得可能]
現代コミュニケーション専攻
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